しかくい怒り

しかくい怒り テレビのしかくい画面の前で無意識に自分の指先に触れていた。20年前に日本の性暴力報道について卒業論文を書こうとして書くことができなかったあの日の指先の感覚を思い出したからだ。当時はポルノみたいな報道が多く性…

Read more

ポルノと報道

ポルノと報道 性暴力は、意思のある人を意思がないかのように扱う暴力だ。これまでは被害者が必死にNOを伝える姿や凍り付いて声すら出ない様子までもがポルノグラフィックな世界観の一部として説明されてきた。でも2023年に刑法が…

Read more

窓を持つ人

窓を持つ人 あの検察官と対峙した時のことをわたしは忘れることができない。この人にとっては、わたしなぞ星の数ほどある事件のうちの星屑ではない方の本当に屑のような事件の一つにすぎないのだとすぐにわかった。当時、今よりも有罪に…

Read more

「かわいそう」を脱ぎ捨てる

「かわいそう」を脱ぎ捨てる わたしたちは誰もが生活の中で意見を言わないことを求められている。人びとは意見を言うこと自体を「大人げない」と噂し意見を言う側が完璧でないと「完璧でない」と噂する。そしてわたしたちの生活にはあち…

Read more

迷いを怠らない

迷いを怠らない わたしは毎日を迷いながら生きている。性暴力の後ずっと続く体や頭の重さ精神的な混乱それらが目に見えないことから要求される説明力の高さそんな今の人生のことをまるで焼け跡のなかを煤だらけで歩いているみたいだと感…

Read more

家族とケアと性的同意

家族とケアと性的同意 最近よく考えるのは性的同意というのは普段の生活と関係があるということだ。性暴力というのはそこだけが普段の生活から切り離されるようにして起きるものではなく普段の生活のなかの文脈を利用する形で起きること…

Read more

わたしたちの生態系

わたしたちの生態系 性暴力を社会がどう扱うかという問題はもしかすると刑法の概念よりももっと広い問題なのかもしれない。まだまだ課題はあるけれど2023年6月に刑法が改正された今このタイミングで考えてみたいと思うことがある。…

Read more

ふたつの毒

ふたつの毒  本屋にはいろいろな本がある。今年の一月に訪れた本屋には18万冊の蔵書があるそうだ。18万冊の並びのなかでその本屋は、わたしの本をアダルトの棚に置いていた。どうしてSMやAVの本とともに性暴力被害者の手記が並…

Read more

本物のスター

本物のスター この一か月あまりかつて「スター」と呼ばれた男の転落劇を見せられている。#metooが始まって以来このようなことは珍しくなくなった。性暴力についてのおぞましい報道は毎日引きも切らない。そのたびに心のかさぶたが…

Read more

社会のなかに椅子をつくる

社会のなかに椅子をつくる 2012年に性被害を受けた直後 わたしにはすでに「これは性被害だ」と理解できていた。 警察に通報して 捜査員たちが到着するまでの2時間近く わたしは椅子をガタガタ揺らしながら待った。 狂いそうに…

Read more