「かわいそう」を脱ぎ捨てる わたしたちは誰もが生活の中で意見を言わないことを求められている。人びとは意見を言うこと自体を「大人げない」と噂し意見を言う側が完璧でないと「完璧でない」と噂する。そしてわたしたちの生活にはあち…
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迷いを怠らない わたしは毎日を迷いながら生きている。性暴力の後ずっと続く体や頭の重さ精神的な混乱それらが目に見えないことから要求される説明力の高さそんな今の人生のことをまるで焼け跡のなかを煤だらけで歩いているみたいだと感…
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家族とケアと性的同意 最近よく考えるのは性的同意というのは普段の生活と関係があるということだ。性暴力というのはそこだけが普段の生活から切り離されるようにして起きるものではなく普段の生活のなかの文脈を利用する形で起きること…
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わたしたちの生態系 性暴力を社会がどう扱うかという問題はもしかすると刑法の概念よりももっと広い問題なのかもしれない。まだまだ課題はあるけれど2023年6月に刑法が改正された今このタイミングで考えてみたいと思うことがある。…
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ふたつの毒 本屋にはいろいろな本がある。今年の一月に訪れた本屋には18万冊の蔵書があるそうだ。18万冊の並びのなかでその本屋は、わたしの本をアダルトの棚に置いていた。どうしてSMやAVの本とともに性暴力被害者の手記が並…
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本物のスター この一か月あまりかつて「スター」と呼ばれた男の転落劇を見せられている。#metooが始まって以来このようなことは珍しくなくなった。性暴力についてのおぞましい報道は毎日引きも切らない。そのたびに心のかさぶたが…
Read more社会のなかに椅子をつくる
社会のなかに椅子をつくる 2012年に性被害を受けた直後 わたしにはすでに「これは性被害だ」と理解できていた。 警察に通報して 捜査員たちが到着するまでの2時間近く わたしは椅子をガタガタ揺らしながら待った。 狂いそうに…
Read moreワニのおじさんが人間になった日
ワニのおじさんが人間になった日 今日、娘たちに話をした。 「ママには意地がある」という話を。 わたしは、娘たちが幼い頃から 「ワニのおじさん」について話してきた。 ママは昔、ワニのおじさんに お胸を「がぶっ」と噛まれたの…
Read more「うわごと」と物言わせぬ空気
「うわごと」と物言わせぬ空気 わたしは子どもの頃性暴力のある環境で育った。でもそれは今だからわかることで当時はそんなことはよくわかっていなかった。親友が自殺してしまった原因が性暴力だということは衝撃的すぎてすぐにわたしの…
Read moreその後を生きる
その後を生きる 2023/6/16 参議院本会議の議場を見守りながら 流れる涙を抑えることができなかった。 その光景を見ることなくこの世を去った 被害者たちのことを 瞼の内側に なるべくたくさん呼び寄せた。 遠かったゴー…
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